ESSAYかぐらびと

絵本の世界みたいなドーナツ屋さん ❘ 『Little Bear Meister』

2025.01.13

ぬいぐるみみたいに可愛いドーナツを購入できる『Little Bear Meister』が、昨年、神楽坂にオープンしたのをご存じですか?
クマドーナツの誕生秘話からこだわりポイントまで、いろいろとお話を伺いました。

Little Bear Meister オーナー
吉若 秀悟 Yoshiwaka Shugo

ひらめき型のアイデアマンである吉若さんは、印刷所の営業の傍ら、サイドビジネスで開発した商品の特許を取得。退職後、キッチンカーでクマドーナツの販売を開始し、その人気でメディアにも注目される。2023年1月、神楽坂にお店をオープン。同年、ラフォーレ原宿にもポップアップストアを出店し、好評を博す。


オーナー 吉若さんのヒストリー

開店までの経緯を教えてください。
「元々は普通のサラリーマンで、印刷会社の営業をしていました。仕事でパンフレット上での企画を考えていたのですが、本当にこんな商品があったらみんなに喜んでもらえるかもしれないとワクワクしてきて、そのアイデアを形にしたくなったんです。それで印刷所に勤務しながら、プライベートで開発をはじめました。実際に食パンでピザを作る器具の特許も取りましたが、同時にロイヤリティだけで事業を続けることの難しさもわかりまして……。退職後、あらためて“世間で見かけなくて、みなさんに喜んでもらえるものはなんだろう”と考えた末、いくつか動かしていた企画の中から『クマのドーナツ』を選び、このプロジェクトに専念することにしました。」
それでお店を開こうとなされた?
「最初は下北沢でのキッチンカー販売ですね。もちろん、いずれ店を出したいという思いはありましたが。きっかけはコロナ禍の厳しい状況を乗り越え好調に転じたところで、もっと多くの人に届けたいと考えるようになったことです。商品の仕込みができる場所を探すなかで神楽坂を紹介され“ここなら店舗も開店できる”となり、今に至ります。」

クマドーナツの誕生秘話

おしゃれで可愛いですね。どこから着想を得てこの形になったのですか?
「まちでクマっぽく見えるシュークリームを目にした瞬間、“これをクマの形にしたら喜ばれるのではないか”とひらめいたんです。そこからが試行錯誤のはじまりでした。大人の方にも喜んでもらえるクラシカルなフォルムにしようと、型の微調整を何度も行いました。」
個人的に、足の“ちょこん”に和んでいます。
「実は形で特に苦労した部分です。火の通り方も生地の厚さで変わってくるので。型と同時進行で、今までにないようなサクサクした食感にしたいと、生地の試作も繰り返しました。最終的に行きついたのが全粒粉とグラハム粉です。」
 
ドーナツにクッキーという組み合わせは面白いですね。
「最初の試作品ではクッキーは無かったのですが、それだと物足りなさを感じて。そこでクッキーをはめ込んでみたらどうだろうと思いついたんです。結果、見た目のクオリティが一気に上がり、食感の変化も楽しめるようになりました。」
クマはナッツベアとチョコベアの2種類で、最近ラビットが仲間に加わわった。(各450円/税込)。注文してから揚げてくれるので、熱々のドーナツが味わえる。

こだわりをぎゅっと詰めています

ショーウィンドウのドーナツと水果茶も気になっています。
「イーストドーナツですね。こちらはバターの豊かな風味を感じられるように工夫しました。また、ベアとは対照的に、ふんわりした食感にしています。なかでも人気が高いのは『きなこ』で、多くの方がリピートしてくださっています。」
 
きなこドーナツ/280円(税込)
「水果茶はたっぷりの果肉とタピオカが入ったフルーツティーです。紅茶を飲むというより、果肉を飲むというくらいのボリュームで、原宿のポップアップストアで大好評でした。その流れから、神楽坂店でも提供しています。」
 
通常のカフェオレや紅茶はベアボトル(別途150円)でも楽しめます
クマとリスが動くのも驚きました。
「なかはオリジナルのロボットで、友人に開発してもらいました。イートインだと動くリスと一緒にお召し上がりいただけます。」
動きながら目をぱちぱちさせるクマや、愛らしい動作のリスは一見の価値ありですよ!

お客様との絆を深めたい

これからの展望をお聞かせください。
「もっと多くの人にドーナツを味わっていただきたいので、キッチンカーの再稼働や催事への出店も視野に入れています。また、ペット同伴のお客様にも、より楽しんでもらえる空間作りを目指しています。」
散歩の途中でワンちゃんとのんびりできるエリア
「お客様からの“かわいい、美味しい”という声が本当に励みになっています。路地裏の小さな店舗ですが、地方からわざわざ来てくださる方もいらっしゃるので、楽しんでいただける空間と美味しいドーナツを提供できるよう、日々努力してまいります。お時間がありましたら、ぜひお立ち寄りいただければと思います。」

今週末は絵本の世界のようにかわいいお店で、ドーナツを楽しんではいかがでしょうか。
 

今回、取材にご協力いただいたのはオーナーの吉若さん。
お店で会えたら「かぐらびと見ましたよ!」ってひと言、頼むな!

店舗情報

店名
Little Bear Meister(リトルベアマイスター)
住所
〒162-0806 東京都新宿区榎町76-7
営業時間
水~日12:00 - 18:00
定休日
月・火
駐車場
公式SNS
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この記事を書いた人

かぐらむら編集局

隠れた名店や話題の最新スポットを実際に訪れ、取材しています。神楽坂を知り尽くした編集局ならではの視点で、皆さまに新たな発見をお届けします!

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