ESSAYかぐらびと

がんばるカラダを、心地よいカタチへ。 | Studio Sonaris 神楽坂

2026.07.01

「それは、失いかけたものを思い出して取り戻していく感覚でした」

踊ることが好きだった。けれど、ある出来事をきっかけに、踊ることの意味が揺らいでいく――。
思うように動かなくなった体を抱えながら、自分を追い込んでいた島村さんが出会ったのが、ジャイロキネシス®・ジャイロトニック®でした。

第34回かぐらびとでは、Studio Sonarisのオーナー、島村ゆいさんからお話を伺いました。

Studio Sonaris神楽坂 オーナー
島村 ゆい  Shimamura Yui

兵庫県宝塚市出身。7歳よりモダンダンスをはじめる。上智大学総合グローバル学部卒業。ニューヨークMartha Graham School of Contemporary Danceでプロ育成コースを修了。
帰国後の2021年、GYROKINESIS® GYROTONIC® 認定資格を取得。2025年6月、神楽坂で自身のスタジオを開設。現在は東京高等バレエ学校やK-BALLET ACADEMYでも、コンディショニングやコンテンポラリーダンスの指導を行っている。

(資格:GYROKINESIS®認定トレーナー、GYROTONIC®認定トレーナー、BESJピラティスインストラクター)


踊る前から、カラダは踊っていた

幼少期をお聞かせください。
「物心ついた時から、詩や哲学の本が好きな、ちょっと不思議な子どもでした。世界観というか、言葉から広がっていく景色みたいなものに、すごく惹かれていたんです。」

「よく家の近くの神社などで踊ってもいました。いまにして思えば、嬉しいとか、楽しいとか、自分の中にある世界が、素直に体の外にあふれ出ていたのだと感じています。実はダンスの前にスイミングスクールに通っていたのですが、タイムや順位を競うことに興味がなく、途中で泳ぐのをやめて、シンクロみたいな動きをはじめてしまう子で。両親はそんな姿を見て“この子はダンスをしたいのかも”と思ったらしく、父がテーマパークの仕事をしていてダンスに詳しかったこともあり、私にモダンダンスを勧めてくれました。」
思いを形にする術(すべ)を得られたのですね。
「ええ。踊れるだけで嬉しくて、楽しかった。でも思春期に入る頃、憧れて目指していた先輩が亡くなって……自死でした。それまでダンスは私にとって、幸せや喜びを表現するものでした。でも、よく分からなくなってしまった。」

「私の思いに呼応するかのように、体も変わっていきました。背中にどんと肉がついてきたり、筋肉が硬くなったり、顔つきも重たくなったり。めまいや自律神経の症状も出るなかで踊っていたから、怪我も増えていきました。ボタンを掛け違えたように、体がどんどんと自分の思う形ではなくなっていったんです。」 
でも、踊ることは手放さなかったのですね。
「ダンス本来の感覚を、もう一度取り戻したかったのかもしれません。体を信頼して動かせる安心感、そこから生まれる表現。踊りが誰かの心を少しでも軽くする力になれば、と。いま振り返ると、そんな気持ちがどこかにあったのだと思います。」 

もう一度、カラダを信じるために

大学を休学し、モダンダンスの発展に大きな役割を果たしてきたマーサ・グラハム・スクールへ留学。Graham 2の公演や映像作品にも出演されていたと伺いました。
「オーディションに合格したことを機に渡米しました。ステージにも立たせてもらったのですが、週7日踊って7日怪我をしているような状態。体のメンテナンスの必要性を、あらためて強く感じました。」 
Photographer:Dez Santana
それで、ジャイロトニック®に出会われた?
「はい。オーディション前の体作りで、Body Evolutions NYCのマシンピラティスクラスに参加したのがきっかけです。セッション帰りの私を見かけた、マスタートレーナーでもあるオーナーが、“あの人はダンサーだよね。ジャイロトニック®のほうが合っていると思う。連絡先はわかる?”と受付の方に言ったそうです。」
ピラティスとの違いを教えてください。
「ピラティスは、主に身体を『面』で捉えた直線的な動きで体幹を鍛え、姿勢やバランスを整えていくものです。
一方、ジャイロキネシス®は、椅子やマットの上で、リズミカルな呼吸で円や螺旋を描くように、背骨を中心に全身を動かしていくボディワーク。ジャイロトニック®は、専用マシンを使って優しく負荷をかけながら、その動きをより効率よく立体的に行っていくものです。」

「元バレエダンサーのジュリウ・ホバス氏が、自身の怪我からの回復をきっかけに考案。負荷や動きを一人ひとりに合わせられるため、運動に不安がある方でもはじめやすいのが特徴です。」
普段使いにくい背骨や関節のまわりを少しずつ動かしていく。
話を戻しまして、その後、オーナーから連絡が来たとか。
「はい。自由にセッションを受けていいから受付で働かないか、と声をかけられて。オーナーから一対一で教えてもらい、将来はそのスタジオのトレーナーに――という話も貰いました。」

まあるく、ゆるく、自分へ戻る

日本にはどのタイミングで戻られたのでしょうか。
「実はコロナ禍で、急遽帰国を余儀なくされて……。帰国後はリモートで大学の授業を受けながら、ダンスのレッスンや、ジャイロキネシス®の資格取得に向けてクラスや養成コースなどを受講しました。
この時のマスタートレーナーは、国際的に活躍した元プリマバレリーナの宮内真理子先生。とても多くの気づきをいただきました。」 
と、いいますと?
「何でも呑み込んでしまう自身の性格や、無理をしてしまう癖が体にも表れていたということ、です。自分が我慢すれば丸く収まると思っていたけれど、違うのではないか。学ぶなかで、自分を大切にすることや、心地よくいることは、決してわがままではないのだと感じました。心に余裕が生まれると、人にもやさしく向き合えて、自然と幸せをシェアできますものね。」 
神楽坂にスタジオを持とうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
セッションハウスさんのジュニアカンパニーに所属していたこともあり、もともと神楽坂には愛着を持っていたんです。芸能・芸術のまちでありながら、日常から少し離れられるような落ち着きもあって。ここなら肩の力を抜いてセッションを受けてもらえると思い、スタジオを構えました。」

明日のわたしへ、軽さを手わたす

これから、どんなスタジオにしていきたいですか。
「女性たちが、気軽に健康にアクセスできて、ケアをできる場にしていきたいです。日本の多くの女性はライフステージの変化の影響を受けやすく、かつ、周りを優先して自分を後回しにしがちですから。」
通われている方の反応を教えてください。
「セッションを通して、ご自身の体の緊張や呼吸の浅さに気づかれる方も多いですね。終わった後には、体がすっきりした、心地よかったなど、さまざまな声が寄せられています。」
現在はスタッフの方も増えたそうですね。
「はい。元々は私一人でやるつもりだったんですけど、ありがたいことに、たくさんの方がかなりの頻度で通ってくださって。一人でも多くの方にセッションを受けていただけたらと、移転に伴い三人体制にいたしました。」 
プライベートレッスンも受け持つMichikoさん(Photographer:高木涼花 Suzucamera)
「グループクラスでは、同じ気持ちや悩みを持つ方同士の交流も増やしていきたいな、と。また、スタジオ開設一周年には、神社にゆかりのある方とのお茶会のようなワークショップも企画中です。体を動かす心地よさを、日常にもつなげていけたらと思っています。」 

ジャイロキネシス®やジャイロトニック®に触れるなかで、体が本来持っている素直な感覚を少しずつ取り戻していった島村さん。

自分の体の声に、ゆっくり耳を澄ます。
その時間が、明日の自分を少し軽くする。

Studio Sonarisは、がんばることに慣れてしまった人が、心地よく体をゆるめていく場所です。
 

※GYROKINESIS®、GYROTONIC®および関連名称は、Gyrotonic Sales Corp. の登録商標です。

今回、取材にご協力いただいたのはオーナーの島村さん。
スタジオで会えたら「かぐらびと見ましたよ!」ってひと言、頼むな!

店舗情報

店名
Studio Sonaris
住所
〒162-0812 東京都新宿区西五軒町3-18 セントヒルズ神楽坂
電話
050-5448-8279
営業時間
9:30〜21:00
※曜日により変動あり
定休日
不定休
駐車場
なし
公式SNS
  • ig

この記事を書いた人

かぐらむら編集局

隠れた名店や話題の最新スポットを実際に訪れ、取材しています。神楽坂を知り尽くした編集局ならではの視点で、皆さまに新たな発見をお届けします!

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