ESSAYかぐらびと

革のゆらぎを新しい価値に | REN 神楽坂店

2025.02.07

「素材の魅力を最大限に引き出し、毎日の暮らしにそっと寄り添うバッグを届けたい。」

そんな想いで始まったブランド『REN』は、軽やかで機能的、そしてどこか特別な存在感を持つアイテムを展開しています。
本記事では、神楽坂での新たな挑戦、ブランドに込められた哲学、さらに未来への展望について、エリアマネージャーの山口さんに伺いました。

営業部 エリアマネージャー
山口 陽子 Yamaguchi Yoko

デザイナー柳本 大さんが2005年に立ち上げたレザーブランド『REN』。「持っていることを意識させない」シンプルで洗練されたデザインを追求している。


変化を力に、次の一歩へ

開店のいきさつを教えてください。
「20年前に私たちのブランドは、卸売専門として小さな一歩を踏み出しました。15年ほど前に東京・蔵前に初の直営店をオープン。その後、丸の内や大阪、名古屋にも出店し、各地のお客様に支えられながらやってきました。しかし、コロナ禍によりブランド運営を見直す必要に迫られまして。"小さくても強く、長く愛される存在"を目指す決断をし、新宿小田急百貨店の閉館を機に、神楽坂に新たな拠点を構えました。」
神楽坂の印象はいかがですか?
「歴史あるまち並みと、落ち着いた雰囲気、アンテナの高いお客様が多く集まるエリアだと常々思っていました。実際にお店を構えてみたことで、当ブランドとの親和性の高さを実感しています。」

引き算の美学

ブランドのこだわりをお教えください
「一番は"素材のよさ"です。RENではヤギ革、豚革、牛革など、本当にいろんな種類の革を使っているので、その素材を最大限に引き出せるデザインを心がけています。あと"軽やかに身にまとう"という感覚をすごく大事にしています。金具や装飾も極力省いているんです。バッグって普通"持つもの"っていうイメージがあると思うんですけど、RENのデザインはもっと洋服に近い感覚で、体にしっくり馴染むように作っています。」
革の可能性を追い求め、挑戦を続けてきたREN。
粗野な表情へと変化するユニークな革や、メタリックが朽ちていく中に宿る趣など、素材の本質を探る試みを積み重ねてきた。そして、最終的にたどり着いたのは、クラシックでシンプルな美しさ。華美な装飾を避け、スタンダードに立ち返るその姿勢は、素材への深い敬意と揺るぎないデザイン哲学を物語っている。

次世代につなぐ物づくり

よいものを作り続けるために大切にしていることは?
「まずは"技術継承"です。財布の製作には非常に細かい作業が求められますが、その技術を持つ職人さんが少なくなっています。 また、"素材調達"も重要なポイントです。例えば、良質な革が手に入ったとしても、加工できる職人さんがご引退なされたり、染料が廃盤になって希望の色を表現できなくなったり。天然素材ならではの美しさを活かし続けるためにも、こうした課題への対応が必要だと感じています。」
 
そういった困難にどう対処なされていますか?
「素材については、常に良い物を探しています。価格とのバランスも大事なので、その辺りも意識しながら、ブランドの雰囲気に合う物を選んでいます。生産面では新しい作りにチャレンジしたり、職人さんの育成に力を入れて頂いています。」

ブランドの目指す未来

今後、ブランドとしてどのような展望をお持ちですか?
「できる限りヒューマンスケールでお店を運営し、長く愛されるブランドでありたいと思っております。これからも、毎日使いたくなるバッグをお届けできるように努力して参りますので、ぜひ、気軽にお店を覗いてみてください。」
素材本来の美しさを引き出し、使う人の生活にそっと寄り添う『REN』。
その魅力は、熟練の職人たちの技術と次世代への技術継承、そして素材への深いこだわりに裏打ちされています。
毎日を彩るアイテムを探しに、ぜひ『REN神楽坂店』を訪れてみてください。あなたの日常を少しだけ特別にする逸品が、きっと見つかるはずです。

今回、取材にご協力いただいたのはエリアマネージャーの山口さん。
お店で会えたら「かぐらびと見ましたよ!」ってひと言、頼むな!

店舗情報

店名
REN 神楽坂店
住所
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3-6-11 La Rinascente 1F
営業時間
12:00-19:00
定休日
不定休
詳細は 神楽坂店Instagramをご確認ください。
駐車場
公式SNS
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この記事を書いた人

かぐらむら編集局

隠れた名店や話題の最新スポットを実際に訪れ、取材しています。神楽坂を知り尽くした編集局ならではの視点で、皆さまに新たな発見をお届けします!

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