2025.07.18
【開店】老舗のバトンをつなぐ | 紀の善(きのぜん)
by かぐらむら編集局
「驚きました! お箸によって、こんなに違うんですね!」
お店で実際に箸を試し、その使い心地を比べたお客様から、よく聞かれる言葉だそうです。
朝日坂の下にある「神楽坂 穂の花」は、約500種類の箸が並ぶ専門店。
太さや重さ、箸の形、塗りの仕上げ――。一膳ごとの違いの奥には、私たちが普段は意識しない、職人の細やかな仕事があります。
近年は海外から店を訪れる人も増え、箸を通して、その背景にある日本の文化にも興味を深める方が増えていると聞きました。
知っているようで、実はあまり知られていない箸の世界。
第36回かぐらびとは店主・大墨 仁さんに、その魅力と奥深さを伺いました。
取材の途中にもお客様が訪れ、箸を手に取りながら自然と会話が始まっていました。選び方の話をしていたはずが、いつの間にか笑い声も。店に立つ大墨さんの姿から、お人柄と、この場所で重ねてきた時間が伝わってきます。
「そうですね。子どもが小さい頃は、家族で食卓を囲むのが当たり前でしたが、成長するにつれて、全員が顔を合わせる機会も少なくなっていきました。そんな頃、妻から『週に一度は、みんなで一緒に夕食をとろう』という話が出たんです。実際に食事をともにすると、自然と会話が生まれ、家族の出来事や考えを共有するようになりました。『食卓からはじまる家族のハッピー』という言葉は、そうした自分自身の経験から生まれています。」
「決め手になったのは、まちの意外性ですね。店を開く場所を探して、都内の商店街をずいぶん見て回りましたが、特に印象に残ったのが神楽坂でした。表通りだけでなく、横道や細い路地に入っても、個性的な店がぽつんとある。こんなまちに、箸しか置いていない店があったら面白いのではないか。そう思ったんです。」
毎日使う箸は、あまりに身近で、普段はその違いを意識する機会も少ないものです。
でも、「神楽坂 穂の花」で箸を見比べ、実際に試してみることで、これまで気づかなかった自分の好みが見えてくるかもしれません。
いまの暮らしに心地よくなじむ一膳を、あらためて選んでみてはいかがでしょう。
今回、取材にご協力いただいたのは店主の大墨さん。
お店で会えたら「かぐらびと見ましたよ!」ってひと言、頼むな!
隠れた名店や話題の最新スポットを実際に訪れ、取材しています。神楽坂を知り尽くした編集局ならではの視点で、皆さまに新たな発見をお届けします!
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