神楽坂の小さな
 
ヴェネツィアへ
 
リストランテ ステファノ


 


 
神楽坂通り沿いから少々奥まった細い路地の先にあるリストランテ ステファノ。その扉を開けると、「ボンジョルノ!」と人懐っこい笑顔で迎えてくれる北イタリア ヴェネト州出身のステファノさん。こぢんまりとした店内は、まるでイタリアの友達の家にでも遊びにきたような温かい雰囲気だ。
 
 
笑顔が素敵なオーナーシェフのステファノさん
 
  
幼き頃の
思い出の味「ウサギ肉」

この地にヴェネツィア郷土料理のお店を開いて15年になる本場イタリア人シェフ ステファノさんのおすすめ料理は、懐かしい思い出がぎゅっと詰まった一皿、「スペックを巻いたウサギもも肉の串焼き セージ風味 ジャガイモのピューレとキノコと共に」だ。 日本ではあまり馴染みのないウサギ料理だが、イタリアの中でもとりわけヴェネト州では日常的によく食べられていているそう。幼い頃、ステファノさんの実家でも食用のウサギを飼っており、ウサギ料理はステファノさんのマンマの味のひとつでもある。近所に住む親戚の叔父さんはウサギの串焼きが得意で、それが大好物だったステファノさん。その串焼きをイメージしてこの料理ができあがったそうだ
 
 
「カ・オロロジオ サラローラ 2018
ビアンコ デル ヴェネト」
(グラス1,300円/ボトル7,950円) 
 
  
イタリアからの
食材で本格的な味を

イタリアから取り寄せたウサギ肉に豚の背脂の生ハム「ラルド」、セージ、そして燻製の生ハム「スペック」を巻いて串に刺し、バターとオリーブオイル、ニンニク、セージ、少々の白ワインで焼き上げる。ウサギ肉には塩をせず、スペックとラルドからの塩味と旨味、セージのすっと鼻に抜ける爽やかな香りが淡白なウサギ肉によくしみこみ、とてもジューシーで味わい深くワインが飲みたくなる。この一見焼き鳥のような肉の串焼きはイタリア語でスピエディーニといい、イタリア全土で親しまれているメニューだ。付け合わせのキノコにもこだわりがあり、その時期の旬のキノコをイタリアから取り寄せていている。
 
 

「スペックを巻いたウサギもも肉の串焼き セージ風味
ジャガイモのピューレとキノコと共に」
(アラカルト3,200円/
秋のコース 10,000円に含まれる)

 
女性醸造家の造る
華やかなワインで


ウサギの串焼きに合わせるワインは同じくヴェネト州の「カ・オロロジオ サラローラ 2018 ビアンコ デル ヴェネト」。ブドウ品種はモスカート主体でフリウラーノやリースリングがブレンドされている辛口フルボディだ。ワイン好きが高じてワインの道に入った若手女性醸造家の造るこのワイン、女性らしく華やかなマスカットの甘い香りが漂い、香りに吸い込まれそうになる。口に含むとミネラルがキュッときて、続いてハーブのような爽やかな味わいとバランスの良い酸味が広がり、最後は心地よい苦みで締めくくる。


 
我が家のようにのんびりと
くつろいでしてしまいそうな温かい雰囲気
 
 
ステファノならではの
アッビナメント


ワインに感じるハーブのニュアンスがウサギに使ったセージによく合い、スペックやラルドの旨味がワインの苦みと見事に溶け合う。この料理とワインのアッビナメントは、その土地で生まれ育ったステファノさんならではのものだ。
ワインはヴェネト産を軸にピエモンテなど北イタリアのオーガニックワインを中心にステファノさんが納得のいくワインのみを取り揃え、ボトルやグラスでのチョイスも豊富。


 



 
神楽坂でイタリア気分を楽しめるリストランテ ステファノ。「店の前の細長い路地を途中で引き返す人も多いみたいなんですよ。みんな恐れずに扉を開けて下さいね!」と、終始笑顔のステファノさんでした。グラッツェ!
 
 


 
【DATA】
住所:新宿区神楽坂6-47 照井ビル1F
TEL:03-5228-7515
営業時間:11:30-15:00(木-月)/18:00-23:30(水-月)
定休日:火・水曜ランチ