古民家を改装した一軒家のNODOはイタリアの北東部に位置するフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の郷土料理とワインの店。 フリウリは北にオーストリアとアルプス山脈、東にスロベニア、西にヴェネト州、南にアドリア海と、いろんな歴史と風土が混ざり合い、イタリアの中でもちょっと独特なエリア。まだあまり日本では知られていないエリアだけに、どんな一期一会が待っているか楽しみだ。 |
由来はオーストリア皇太子への料理 NODOのおすすめの一品は「リュブリャンスカ NODOオリジナル“国産牛フィレ”肉厚カツレツ」だ。“リュブリャンスカ”とは、なんだか聞き慣れない言葉だけど…と、及川オーナーに聞いてみた。「フリウリを語るには隣国のオーストリアとスロベニアなくして始まらないんです」と、フリウリも支配下におかれていたハプスブルグ家の時代までさかのぼる。長旅で疲れたオーストリア皇太子にスロベニアの料理長が皇太子の大好物のカツレツをアレンジした料理が“リュブリャンスカ”なんだそう。 |
NODO風にアレンジした肉厚の和牛フィレ 素敵な皿に盛られたリュブリャンスカ。皿に描かれている花の模様と、肉の焼き色、添えられたアマランサス、彩りの統一感がとても美しい。 NODOのリュブリャンスカは国産の肉厚牛フィレに生ハムとチーズを挟んで揚げていて食べ応えたっぷりだが、爽やかなレモンベースのソースでさっぱりと食べられる。 |
料理とワインは、かけ算と足し算 「お肉と赤ワインはかけ算、お肉とオレンジワインは足し算だと思うんです」と、及川オーナー。赤身肉の料理には赤ワインを合わせがちだが、及川オーナーの選んだアッビナメントはフリウリのオレンジワイン「テルピン ヤーコット 2011」。 |
オレンジワインは白の清涼感もありながら肉料理に負けないポテンシャルがあり、ゆっくりと果皮や種子を醸しているので、心地よいタンニンが肉ともしっかりあう。 |
ユーモアが勝ち!? ちなみに品種は「ヤーコットJAKOT 」。スペルを見て、何かお気づきにはなりませんか?「JAKOT」を逆から読むと…「TOKAJ トカイ」、そうハンガリーのトカイワイン。ヤーコットはフリウリでは元々「トカイ フリウラーノ」と呼ばれていたが、「トカイ」という名称をめぐったハンガリーとの裁判で負けてしまいトカイと名乗ることができなくなってしまったのだ。それを皮肉ってトカイを逆から書いて呼ぶようになったそう。 |
年に一回はイタリアへ赴き、生産者を訪れるのがNODOのライフワーク。どんな生産者がどんな思いを込めてワインを造っているのかを少しでもお客様に感じて欲しくてと、自作の木板を持参してサインをもらい写真と共に店内に飾っている。 |
NODOのワインはどれも小さな生産者のものばかり。フリウリを中心にオーストリアやスロベニアのワインも楽しめる。 東京の真ん中にいることを忘れさせてくれるウッド調のぬくもりのある店内で、ほっとひと息、ワインをかたむけてみませんか。 |
【DATA】 住所:新宿区袋町3 TEL︎:03-6228-1149 営業時間:火〜金17:00-26:00 土・日15:00-24:00 定休日:月 |