神楽坂の中で最も古い小径だと言われている兵庫横丁。その風情ある石畳の小径を下っていくと、一軒家のイタリア料理店「ラストリカート」がしっとりと佇んでいる。ラストリカートとはまさにこの場所にふさわしくイタリア語で「石畳」という意味だ。1階はアラカルトで気軽に楽しめるオステリア、2階はコース料理をゆっくりと味わうリストランテとなっている。 |
雲丹の美味しさを 最大限に ラストリカートの自慢の一品は「イカ墨を練り込んだタリオリーニ 雲丹とフレッシュトマトのソース」。贅沢に使われた雲丹の量に驚くこのパスタはオーナーシェフである蓮見さんがこの兵庫横丁に場所を移す前、牛込の地に初めてお店をオープンした時から約17年続くオリジナルレシピのスペシャリテだ。 常温でゆっくり完熟させて糖度をあげたトマトをニンニクで炒め、豊洲市場で仕入れたその日一番の北海道産雲丹をたっぷりと使い、余熱でさっと混ぜあわせたソースはコシのある細麺の自家製平打ちパスタにしっかりと絡んでいる。 |
下手な寿司屋より、 仕入れがすごい! とにもかくにも雲丹の火入れが絶妙でとろけるようだ。口の中に広がる雲丹と完熟トマトのおりなす旨味、そしてそれを追いかけるようにバジリコが清涼感をもたらし、隠し味の黒胡椒がアクセントとなり後味を引き締めてくれる。 「行きつけの豊洲市場の魚屋に『下手な寿司屋よりも雲丹の仕入れ量がすごいね〜』なんて言われるんですよ。」と、豪快に笑う蓮見シェフ。雲丹好きはもちろん、そうでない人をもうならせる、長年続く人気のメニューであることが頷ける逸品だ。 |
希少な土着品種ペコレッロで 南イタリアの風を そして千葉ソムリエが選んだ、この料理に合わせるワインはイタリアのつま先にあるカラブリア州の白ワイン「グリサラ チェラウド 2017」。カラブリアでも海にほど近いコゼンツァというごく限られたエリアでしか栽培されていないとても希少な土着品種ペコレッロ100%で造られたもの。家族でワイナリーを経営するグリサラ氏は絶滅しかけていたペコレッロをビオで栽培することに成功した、とても情熱のある生産者だ。 |
ペアリングコースがおすすめ 麦わらがかった黄金色に輝くこのワインはとてもアロマティックでみずみずしい果実感とエレガントな酸味が口の中に広がる。海に近いところで栽培されているのでミネラル感もあり、濃厚な雲丹やイカ墨の旨味と相性抜群だ。「このワインは魚介類はもちろん豚肉や鶏肉料理などと合わせても美味しいですよ。」と、千葉ソムリエ。 ワインリストには常時50本以上のボトルを取り揃えており、グラスワインも約10種類ほどある。コースの料理にそれぞれ合わせてワインを楽しみたい方にはペアリングコース(6,000円)がおすすめだ。 |
長年愛されてきた自慢のスペシャリテとソムリエ厳選のワインで、贅沢だがシンプルに美味しいアッビナメントをぜひ楽しんでみて。 |
【DATA】 住所:新宿区神楽坂4-6 神楽坂館2 1階/2階 1階 オステリア TEL: 03-5261-4226 営業時間:11:30-15:00(土日祝) 17:30-23:30(火-金) 17:30-22:30(土日祝) 定休日:月・第2日曜(12月は営業) 2階 リストランテ TEL: 03-5261-4230 営業時間:11:30-15:00(土日祝) 17:30-23:30(火-日祝) 定休日:月・第2日曜(12月は営業) |