Vol.1 ドーナツもり
 


神楽坂,クリスマス,ケーキ,ドーナツもり
 
“クリスマス限定”
厳選食材で作るもちふわドーナツ

 

赤城神社裏の坂の途中に、週末だけの小さなドーナツ屋さんがオープンしたのをご存知でしょうか? ここは以前、神楽坂でも有名な、こだわりのフランス菓子店があった場所。神楽坂の人々に惜しまれながらも移転しましたが、その跡地に、その店で修行を積んだパティシエによるドーナツ専門店「ドーナツもり」が今年2月にオープンしました。
 
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外観は以前と変わらぬまま、まるで絵本に出てくるおうちのようなかわいらしい佇まいです。店に入ってまず目に入るのがアンティーク風の大きなガラスケース。中には、デコレーションされたドーナツがキラキラと輝いて並んでいます。
 
 
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イメージはキラリと光る
“クリスマスオーナメント”
 
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人気の月替りの“季節のドーナツ”。12月は、クリスマスをイメージしたドーナツ3種が新登場しました。

リンゴとホワイトチョコのクリスマスドーナツ」(480円)
“雪の積もった風景に、クリスマスのオーナメントがキラリと光る”イメージで作ったというこちら。フランス老舗ブランドのヴァローナ社のホワイトチョコを使用したグレーズに、3つのスパイスと粗製糖で煮た国産ジョナゴールド、イラン産スーパーグリーンピスタチオとドライマンゴーをトッピング。クリスマスカラーの華やかな見た目とともに、シナモンなどのスパイスの香りがクリスマス気分を高めてくれる一品です。


 
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「ジャンドゥーヤとマロングラッセのドーナツ(480円)」(写真右上)
ヘーゼルナッツで作ったジャンドゥーヤグレーズにマロンのダブルの旨味が贅沢。ひとつでも大満足な、冬らしい濃厚な味わい。

「ジャンドゥーヤカスタードベニエ(580円)」(写真左上)
定番人気のカスタードベニエに、ジャンドゥーヤグレーズをかけ合わせ。手にずっしりするほど、クリームがたっぷりです。ナッツとカスタードの濃厚な味わいに、オレンジピールの爽やかな苦味と香りが相性抜群です。


 
高級菓子を作るように、ドーナツを作る
 
コンセプトは、“大人がひとりじめしたくなるドーナツ”。素朴な子どものおやつといったイメージですが、「ドーナツもり」では、まるで高級パティスリーに並べるフランス菓子を作るように、こだわりがたっぷり詰め込まれています。
 
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一番の特徴は、生地。もちもちとした弾力がありながらも、ふっくらふわふわ。噛むほどに濃厚な小麦の香りが感じられます。

もちふわ食感の秘密は、「湯種製法」。通常は、食パン作りなどに使うものです。さらには発酵を、丸一日かけて低温でじっくり進めることで、小麦の旨味を最大限に引き出しているそう。生地作りだけでも3日間かかります。「湯種製法でドーナツを作るなんて、うちくらいじゃないでしょうか」と、店主の森さんは言います。

生地を彩るグレーズやフィリングも出来合いのものは使わず、すべて手作り。コンポートやジャムなら、国産の旬の果物から。ナッツなら、イタリアのシチリア島から最高品質のものを取り寄せ。カスタードの味を左右する卵は、平飼いされている有精卵を使います。ストレスの無い環境で育った鶏の卵は、美味しさが全く違うのだそう。
 
 
 
週末はパティシエ、平日はサラリーマン
 
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「ドーナツもり」の店主兼パティシエの森敬之(ひろゆき)さんは、平日は建築設計の会社に勤めています。店を始めるきっかけは、以前この場所にあった有名フランス菓子店が行っていた菓子教室に通い始めたこと。修行を積む中で、師匠特製のドーナツレシピに、湯種製法を取り入れるという森さんのアイデアでドーナツを作ってみたところ、これが大成功。「あまりにも美味しくて、たくさんの人に食べてほしい」と思うように。そして、師匠のサポートも得て、店舗を持つ決意をします。会社も派遣に切り替えてもらい、本格的に二足のわらじをスタートさせることになりました。
 
 
店舗オープン直後のコロナ禍…
 
今年2月23日、「ドーナツもり」開店日。店の前には行列ができ、大成功に終わりました。しかし、コロナの状況は日に日に悪化。プライベートでは子どもが生まれたばかりということもあり、家族を守るために4月に臨時休業を決めました。当時のことを聞くと森さんは、「泣きそうになりました」と。

 
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苦肉の策で、“置きドーナツ”という形で無人販売をした時期もありました。近所の常連さんが多く買いに来てくれて、おかげさまで計算が合わない日は一度もなかったそうです。
5月には入店制限などの対策を講じながら営業を再開。ソーシャルディスタンスを保ちながらも行列ができていました。

 
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秋にオープンしたイートインスペースでは、
その場で豆を挽き、
ハンドドリップで淹れるコーヒー(550円)がおすすめ。
ほんのりビターでドーナツにぴったりです。


話を聞けば聞くほど、ドーナツ愛が止まらない店主さん。「新しいドーナツを考えるのが楽しくて、種類がどんどん増えちゃうんです」と語る、嬉しそうな表情が印象的でした。今週末、そこかしこに詰まったこだわりを味わいに行ってみてはいかがでしょうか。

「リンゴとホワイトチョコのクリスマスドーナツ」の販売はクリスマスまで。残り2つの“季節のドーナツ”は、材料がなくならない限り、年末まで続ける予定だそう。

 


 

 
■DATA
住所:新宿区赤城下町3-9
営業時間:土日11:00~18:00
定休日:月~金
nstagram:https://www.instagram.com/doughnutmori/ (@dougnutmori)
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