【本の紹介】
『流れがわかる デンマークの家具のデザイン史』
多々良景太著、誠文堂新光社刊 2700円
プロが読んでもデンマーク家具ファンが読んでも楽しめる本です。
私もデンマーク家具は大好きです。しかし高価でなかなか個人では買えませんが、フォルケホイスコーレやデンマークの公共施設、またご家庭を訪問したときのその快適性を満喫しています。...
しかしなぜあんなに気持ちがいい家具が次から次へと生まれたのだろう。その疑問に本書は十分に応えてくれます。
本書は5章にわかれていて、デンマークとデンマーク家具が生まれた過程と、クリント、ヤコブセン、ウェグナー初めとする家具デザイナーの各バイオグラフイー、彼らを支えた職人たちについて、過不足なく書かれています。
①デザインの国デンマーク、デンマーク
②モダン家具デザインの流れ、
③黄金期を彩ったデザイナーと建築家、
④デザイナーを支えた家具メーカーと職人たち、
⑤現在のデンマーク家具、デザイン。
この本は丁寧に最初から読んでほしいと思います。
デンマーク家具は特別な人達のものではなく、万人に向けて”民主的にデザインされた高級(価格のことではない)家具であることが分かると思います。読後あたらめてデンマーク家具をみると違ったものにみえるはずです。
この本は10年以上をかけた、文字通り「労作」ですが、著者は楽しそうにかいていて、デンマークを本当に愛しているのことがよく伝わってきます。