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催事・イベント
【2026年7月26日閉店】 神楽坂に「本場のフランス菓子」がある風景をつくった、ル・コワンヴェール 閉店前の数日間には、最後にもう一度その味を楽しもうと、多くの人が店を訪れました。店先にできた長い列は、ル・コワンヴェールが一軒の人気店というだけでなく、神楽坂の風景の一部として親しまれてきたことを物語っていました。 アグネスホテル東京の直営店として誕生 ル・コワンヴェールは2008年12月、神楽坂にあった「アグネスホテル東京」の敷地内に、ホテル直営のパティスリーとしてオープンしました。 開業当初から、ホテルの利用者だけでなく、近隣で暮らす人や神楽坂を訪れる人にも親しまれ、生ケーキや焼き菓子を求めて足を運ぶ店として定着していきます。 2011年に公開された映画『洋菓子店コアンドル』では、劇中に登場するケーキの多くを同店が手がけました。神楽坂にあるパティスリーとして、その存在が広く知られるきっかけの一つとなりました。 パトリック・ルメル氏を迎え、新たな店へ 2019年には、フランス人パティシエのパトリック・ルメル氏を迎え、「ル・コワンヴェール パトリック・ルメル」として新たな歩みを始めました。 ルメル氏はフランス・ノルマンディー出身。名門ベーカリーブランド「メゾン・カイザー」で製菓部門を率いた後、2006年から「ル・コルドン・ブルー」日本校でパティシエ教授を務め、長年にわたり製菓技術を伝えてきた人物です。 店頭には、フランス菓子の伝統を感じさせる華やかなケーキをはじめ、クロワッサンやカヌレ、焼き菓子などが並びました。 高い技術を感じさせながらも、記念日のケーキや日々のおやつ、手土産として買い求められる身近さがありました。食べログの「スイーツ TOKYO 百名店」にも選ばれ、神楽坂を代表するパティスリーの一つとして親しまれてきました。 2021年、アグネスホテル東京が閉館 ル・コワンヴェールの母体となったアグネスホテル東京は、2000年に開業したホテルでした。 にぎやかな神楽坂通りから少し離れた場所にあり、ヨーロッパのホテルを思わせる落ち着いた空間で、地域の人や旅行者に親しまれていました。 しかし、アグネスホテル東京は2021年3月31日をもって閉館。 ホテルがなくなった後も、ル・コワンヴェールは同じ場所で営業を継続しました。 かつてホテルを訪れた人にとって、パティスリーはアグネスホテルの記憶を残す数少ない存在でもありました。ホテルの時代から続く店の灯りが残っていることで、場所の歴史や空気まで受け継がれているように感じた人も多かったのではないでしょうか。 神楽坂の「フランス」を日常の中に伝えた店 神楽坂は、フランス文化との関わりが深いまちとして知られています。 フランス語教育や文化交流の拠点があり、パリを思わせる石畳や、フレンチレストランやフランス菓子店が点在することから、東京の小さなパリ、リトルパリと呼ばれることもあります。 ル・コワンヴェールもまた、神楽坂のリトルパリを巡る楽しさや、美食のまちとしての魅力を支えてきた存在でした。 アグネスホテル東京の直営パティスリーとして始まり、ホテルの閉館後も営業を続け、長年にわたって神楽坂にフランス菓子の魅力を届けてきたル・コワンヴェール。 店の灯りは消えても、神楽坂にもたらした甘い記憶と足跡は、これからも多くの人の中に残り続けることでしょう。 かぐらむらでの掲載記事 伝統と革新のパティスリー『Patisserie Le Coin Vert』