【2020年のフィンランド映画が面白い】
先頃ムーミンの作者ト-ヴェ・ヤンソンの30代から40代のを描いた映画「Tove」がフィンランドで公開されました。ト-ヴェがムーミンの作者として世界的名声を得るまでの奇跡を、彼女の男性、女性との恋と性愛を織り交ぜて描いた映画です。
昨年暮れに公開された「リンドグレーン」が、当時の女性の常識にとらわれない新しい生き方を描いたように、「Tove」の予告編を見ると、心優しい児童文学者からは遠いイメージの生身のToveが描かれているようです。日本公開は来年です。
それにしても2020年に公開されたフィンランド映画は多彩でした。
戦後活躍したボクサーの純朴な恋を描いた『オリマキの人生で最も幸せな日』、老いた画商最後の乾坤一擲の大勝負をサスペンスタッチで描いた『ラストディール』。
そしてなんといっても、フインランド映画と言えばカウリスマキ作品しか思い浮かばなかった私達に、強烈なアッパーカットを放ったのが、ヘビメタコメディ『ヘヴィ・トリップ』。21世紀の音楽青春映画、ベスト1だと思います。
(因みに20世紀の音楽青春映画ベスト1は「ビートルズがやって来る、ヤァヤァヤァ」です)
今ときめく、コリアンシネマほどの迫力はないにせよ、1作1作の着想の良さ、ストーリーのうまさが際立っています。これから何が飛び出してくるか予測がつきません。近い将来世界的に大成功をおさめるフィンランド映画の出現を予感させるものがあります。
トーヴェ・ヤンソンの映画の日本公開、本当に楽しみです。