第十八回 タウン誌か? 地図か?

『神楽坂アイコンマップ』

タウン誌に欠かせない要素の一つに地図があります。『かぐらむら』の初期の頃には、「**が食べられるお店」などといったテーマに沿った幾つかのスポットをアイコンにして地図上にプロットをしていくというオリジナル地図を毎号載せていました。その成果(の一部)が「神楽坂アイコンマップ」(絶賛発売中)になっています。

地図の重要な目的の一つは正確な情報の提供ですが、そのためには定期的な情報の更新が欠かせません。それならば「定期的に作成される地図」をタウン誌としてみることも可能ではないでしょうか? 17回でご紹介した「不忍ブックストリートMAP」は、今年も一箱古本市開催に合わせて「2017〜18」版が作成配布されました。今年で12年目だそうです。書籍以外のお店情報&地域広告も充実していますし、一箱古本市の紹介文も手際よくまとめられています。

『谷根千界隈そぞろあるき絵図』

ほぼ同じ地域を対象としたタウン誌に「地域雑誌 谷中・根津・千駄木」(通称「やねせん」)がありましたが、本誌以外に「谷根千界隈そぞろあるき絵図」を定期的に作成、販売していました(私の手元のものは1997年作成版)。不忍通りが真ん中にくるのは同じなのですが、上下がちょうど逆です。

定期作成される個性派地図は他に、以前にご紹介した中でも、「tokyo art map」や神保町の「JIMBOCHO 古書店MAP」などがあります。後者は「神田古書店連盟 全店掲載」などといった謳い文句からもわかりますように、最新かつ正確な情報の提供が本来の趣旨なのですが、過去のものと並べて比べてみますと、編集方針の変化やお店の移り変わりも見えてきます。

『元祖太宰マップ 第2版』

文学散歩や歴史的史跡を組み合わせたものまで広げますと、さまざまな地域で個性的な地図が作成されているのがわかります。最近では神楽坂ブック倶楽部作成の文学地図がありますし、三鷹には「太宰治の三鷹時代を案内する」を謳う「元祖太宰マップ」(みたか太宰の会、ぶんしん出版 本年2月に3版刊行)が、本郷には「本郷・菊坂流よりみちマップ」という、ピンポイントなテーマの文学散歩案内地図があります。ただ、定期的に作成されるものではないと、タウン誌というにはやや無理がありましょう。個人的にはぜひタウン誌化してもらいたいところです。

『ふくしままっぷ』

最近、気になっているのは「ふくしままっぷ」(福島県広報課)。手書きイラストで福島県の様々な「今」を紹介していますが、ぜひ「年刊」化を目指してもらいたく。地域には1回の地図だけでは盛り込めない様々な情報や物語があるのですから。

高橋正樹
『かぐらむら』編集室