2018年8月 99号

今年の「神楽坂映画祭」は、活弁とピアノ演奏によるサイレント映画祭

長岡なんだかすっかり思い出話になってしまいましたが、あの西崎さんの世界と、加藤さんがつくった映画キャラバン・トラックがどこかで繋がっていて、私の記憶の中にありますが。

加藤そうですか。長岡さんは映画青年だからそう思ったのでしょう。ギンレイ・キャラバン・トラックをつくる経緯はいろいろありました。それはうちの映画館にデジタル映写機を入れる前から、フィルム映写機の魅力を伝えたいという考えで進めていました。ギンレイホール35周年に飯田橋ラムラを会場にして映画祭をやりました。エントランスホールにはいままで集めた映画ポスター、スチール写真、映画看板絵などを展示し、また野外にスクリーンを張ってフランスのおしゃれな短編映画『白い馬』『赤い風船』などを上映しました。このイベントを偶然見ていた金沢のイベント会社の人が、金沢の旧県庁跡地にできた「しいのき迎賓館」で竣工記念に同じものをやってもらえないかと。でもこの時は、まだキャラバン・トラックはなかった。翌年の3月にあの東北大震災が起きました。そしてその年の12月にやっとキャラバン・トラックが完成したのです。

長岡でも私が加藤さんから繰り返し聞いていたのは、それよりも5、6年前のことですね。

加藤キャラバン・トラックが初めて活動したのが、震災翌年の3月11日に仙台市の「三越スタジオ」でした。この時は「仙台ノスタルジア映画祭」と銘打って、柳下美恵さんのピアノ演奏つきでサイレント映画と西崎春吉さんのカーボン映写機の上映とをやったのです。仙台郊外の仮設住宅に住んでいた被災された方々をご招待しました。

仙台ノスタルジア映画祭(2012)
館内にピアノを常設した映画祭(2017)

長岡ほんとにいろんな活動をやってきましたね。地元でも、「神楽坂映画祭」で毎年面白い企画ものをやっていますが、今年秋の「まち飛びフェスタ」参加企画はもう決まっているのですか?

加藤今年はサイレント映画特集です。10月の22、23、24日を予定してます。初日は山崎バニラさん、2日目は柳下美恵さん、3日目は澤登翠さんに活弁やピアノ演奏をお願いしています。

長岡成田の映画センターでも計画があると聞いていますが。

加藤今秋、「成田山書道美術館」をお借りして「ギンレイ映画アーカイブ・フェスティバル」(仮)というのを大々的に開催するつもりです。またこの時期に合わせて「成田映画センター」でも160台のフィルム映写機を一般公開して来場者にその魅力を広く知ってもらおうと考えています。開催期間は「神楽坂映画祭」の1週間前10月16日から21日までです。ぜひ興味のある方にはいらしてほしい。

長岡ギンレイの新たな「プロジェクトX」がはじまること大いに期待しています。

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