2018年8月 99号

キャラバン・トラックに映写機をのせて走る!

長岡ギンレイで私が一番待ち焦がれていたのが、キャラバン・トラックです。これは、それこそ加藤さんから繰り返しお聞きしていた話なのですが、なかなか実現しなかったので正直言ってほんとうにできるのか懐疑的でした。だから実物のトラックを運転されてきた時は、おどろきました。

キャラバン・トラック銀座を行く

加藤みんなに見せたくて銀座や神楽坂の通りを、幌を光らせて走ったりしましたよ。

長岡この話は、西崎春吉さんという移動映画の実践者との出会いを連想してしまいますね。西崎春吉さんという方は、北海道で小型トラックに映写機などの機材を一式積んで、野や村を走りまわって子どもたちに映画を観せていた方で、まるで絵本の中のような方でした。函館周辺では知られた方で、私が出会ったときにはもう高齢でした。その方を加藤さんが東京にお呼びした……確かギンレイ30周年の記念イベントの時で会場は中野「ゼロホール」でした。

30周年映画祭ポスター展(中野ゼロホール)

加藤西崎さんはひと昔前のカーボン映写機を使って上映する方で、その動きが実に職人のようで魅力的でしたね。カーボン(炭素)の棒と棒を近づけると火花が出ますが、その火花を光源として上映するのです。

長岡西崎さんがランニングの肌着姿で夢中になって操作していた姿をよく覚えています。その時の作品はフランス・アニメの『木を植えた男』で、私は西崎さんのお手伝いで1日そばにいたので火花にゆらぐアニメの映像をすっかり覚えてしまった。西崎さんのフィルムリールの交換さばきなんか見事で、役者のようでした。

加藤彼は若い頃に日活の俳優をめざしていて、同期の渡哲也と一緒に出演している写真が自慢でしたね。

西崎春吉氏とカーボン映写機
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