2016年6月 86号

せまい路地の奥に、小さな横丁の陰に、ぽっと明かりのともる店がある。 なにやら懐かしいその明かりのもとは、店主たちのある思いが光っているのだ(「ある思い」とは何か?それはこの特集の各ページから読者の皆さんが好きに感じ取ってほしい)。 編集部ではそうしたお店を『星を売る店』と呼んで、神楽坂の路地や横丁をさがし歩いてみた。



プリンで宇宙旅行ですか?

ACHO

アチョのプリンは、星というよりも小宇宙といった方が似合うかもしれない。未知なる可能性を秘めたプリンをめぐって、風味の探検を繰り返していくと、簡単な言葉にはできない奥行きと楽しみが生まれる。

こだわりの秘訣はレシピにある。単純な味では発展性がないと考え、いくつかの味を何層にも重ねるように、他の生菓子のレシピの組み方をプリンに応用している。他のお店にはない期間限定のプリンが楽しめるのも、そうしたノウハウがプリンに注ぎ込まれているからだ。

カップのままプリンを食べてしまうのはあっという間のことだ。けれども、珈琲か紅茶も用意し、お気に入りのお皿にプリンを盛り付ければ、自然とゆっくりプリンを味わうことができる。お皿にとろんと着地する様子などは、眺めていてなんとも愛らしい。アチョのプリンがお皿に立つギリギリの柔らかさになっているのには、そんなひと時を願う富永さんご夫妻の思いが込められている。 

アチョのお菓子は旅をする。プレゼントのための小箱、ラベルからプリンのカップまで、品があって楽しげな旅を予感させる装いだ。小さな旅の途中、アチョのお菓子があなたにも届きますように。(石丸)

ACHO
矢来町103
TEL03・3269・8933
月~土 11:00~19:00
日・祝 11:00~18:30
火曜定休
http://achocafe.com/ 
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