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【入場無料】《香港ピーク大怪獣》蔡耀東(Terence Choi)個展




《香港ピーク大怪獣》蔡耀東(Terence Choi)個展
 

 摩天楼が密集する香港で、通勤の合間に視界を横切るのはガラス張りのビル群だけではありません。背後の山々は、都市の輪郭を縁取るように連なり、住民にとっては日常の一部です。まちの中心からわずか1時間足らずで山頂に立てる距離感は、香港の生活文化に独特のリズムを与えているといえます。

 そんな香港の自然に魅了され、山をテーマに独自の世界を描き続けているのが、アーティストでありイラストレーターの蔡耀東(Terence Choi)氏。少年時代から日本の怪獣作品に心を奪われ、空想上の生物や存在を描く創作活動を続けてきました。2016年からは視点を転じ、香港を取り囲む無数の山々を題材にした「香港山峰」シリーズに着手しています。

 山の名前や地形から得られる印象、そこに紐づく人々の記憶や逸話。蔡氏はそれらを素材に、300以上の山を巡りながら作品世界を構築してきました。特に2019年の社会運動、そして翌年からのパンデミックを経験したことで、彼にとって「香港」という場所の意味は大きく変化したのです。友人とともに山へ向かい、同じ場所を何度も歩き直すうちに、風景と感情がその都度異なることに気づいたといいます。

 蔡の作品には、黒い墨、白の余白、そして金箔が繊細に使われます。海抜300メートルを超える山々を一つずつ描き起こしたシリーズは、2022年の初個展で大きな注目を浴びました。山は単なる風景としてではなく、彼自身の内面と、都市に生きる人々の記憶を反射する存在として立ち上がっています。

 今回、東京で公開される新作では、代表作「香港山峰」にさらに大胆な要素が加わります。日本の象徴的存在である富士山、そして幼少期から親しんできたクラシック怪獣アニメの要素が融合した「香港の山と大怪獣」シリーズです。都市と自然、現実と想像、そして異文化のモチーフが交差し、山々は巨大な生命体のように姿を変える。作品群は、風景画と怪獣絵画の中間に存在する新しいジャンルを切り開いています。

 会場では、香港のブランドGinger Storeとコラボレーションした限定Tシャツも展開。同ブランドの代表的なラインをベースに、蔡の作品世界を落とし込んだデザインで、アートと日常をつなぐアイテムとして仕上げられています。

 山が都市生活の背景にある香港。そこに育った一人のアーティストが、日本のカルチャーへ向けて紡ぐ“山の怪獣譚”。鑑賞者は、地図では測れない風景の奥行きに触れることになるのではないでしょうか。
 

コメント
「多くの日本の皆さまにご来場いただき、香港映画や文化だけでなく、香港の自然や山々にも興味を持ってくださる方が多く、スタッフ一同とても嬉しく、感動しました。《香港ピーク大怪獣》展はまだまだ開催中です。
まだお越しでない方は、この機会をぜひお見逃しなく!
アーティスト・蔡耀東(Terence Choi)の想像力あふれる世界を通して、新しい角度から“香港の山”を感じていただけます」

Artist profile. 蔡耀東(Terence Choi)
香港出身のイラストレーター兼アーティスト。初期はグラフィックデザインに携わり、その後フリーの創作活動へ転身。3Dトリックアートで知られ、BMW、Swatch、K11などのブランドとコラボレーションを行ってきた。
作品は『山海経』の幻想的な世界観と浮世絵の美学を融合させた独自のスタイルが特徴で、近年は墨と金箔を用いたモノクロ表現を中心に、個人の創作スタイルのさらなる深化を追求している。代表作である《香港山峰》シリーズは、香港の山々への愛着と都市との深い結びつきをテーマにしており、革新と想像力に満ちた精神を表現している。

共同主催: Victoria 1842,Terence Choi , Ginger Store
期間 2025.11.08(土)~12.07(日)
時間 (金)14:00-20:00  (土, 日)12:00-18:00
場所 Victoria 1842
住所 〒162-0841 東京都新宿区払方町15-10
参加費 無料
お問い合わせ 共同主催: Victoria 1842,Terence Choi , Ginger Store
関連サイト https://www.instagram.com/victoria1842jp/
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