第96号(平成30年2・3月号)

花咲く春が待たれる寒い日に沢山の花をあつめた薬玉を染めてみた。

今年は特に豪雪だという雪国のたよりを聞くにつけても雪の少ない土地に住める幸運を感謝する日々である。親を置いて年老いた姉や、妹が、ひとり雪に閉ざされて

居る日々を思い、ひそかに胸を痛めている人もこの東京にきっと多いはず。

メールなど使えない年寄りに手紙や物を送るにも配達の人の苦労が頭をかすめる辛さ。

早く暖かい光を北の国へと祈るばかり。それでも私は知っている。ときたま一面の雪景色にそそぐ冬の日の無量の光はほんとうに美しいことを。