第70号(平成25年10月・11月号)

秋の白菊を染めてみました。

白菊は秋の雪とも見ゆるかな(慈鎮和尚)

と例えられ、又、白菊の花よりのちの花しなければと、最も遅く咲く花でもあった。

都会ではいつでも好きな時好きな花を手にすることができるようになったが、今では考えられない静謐な風景だったのではないだろうか。

冠婚葬祭はいうに及ばず、古くから菊慈童、菊の着せ綿、菊人形、四君子の菊とそれぞれの場面で特別な役割を果たしてきた。

昔は菊を百草王とも称えられ、酒杯に菊の花片を浮かべて楽しむ風雅な習慣もあって、それは延命の効能ありともいわれたとものの本には書いてある。(王朝文化辞典・朝倉書店刊)

酒名に菊の字が多いのもそれら由来のなごりであろう。